いなこ保育園／2023

設計主旨

いなこ保育園は、伊賀市が行っていた保育事業の民営化に伴う保育所の建替計画である。より質の高い保育事業を継続的に維持すること、そのためには何が最も大切かを運営事業者とともに多角的な目線から検証を行い、「子どもたちが、毎日通うのが楽しみになる保育園であること」が、主役である子どもたちのみではなく、関係する全ての人にとってベストであるというコンセプトを元に計画が進められた。絵本の世界の中にあるような建物の中で過ごせるワクワク感、隔てのない自由に活動できる保育室、遊戯室、各所に施された知的好奇心を刺激するアイテムなど、子どもたちの毎日の生活が楽しくなる仕掛けを随所に施した計画としている。「子どもたちに親しまれ、保護者、地域にも喜ばれる保育園」、「多様な使い方が出来る保育園」として計画された建物は、隣接小学校や地域との連携機能も併せ持つ施設である。ローカル鉄道の車窓から見える田園風景に浮かぶ「いなこ保育園」が子供、保護者、地域のみんなから愛され、地域のシンボル的な拠点として継続的に発展していくことを願う。