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四天王寺境内(和労堂、宝物殿、伝教大師)/2012

建物概要

建物名称  四天王寺境内 (和労堂、宝物殿、伝教大師)
発注者  宗教法人 四天王寺
所在地  大阪府
用途  寺院
構造/階数  RC造、木造・地上1階
延床面積  323㎡

設計主旨

大阪・天王寺区にある四天王寺は聖徳太子が建立した日本最古の官寺で、大阪のシンボルとして市民に最も親しみのあるお寺と言ってもよいと思います。当社は四天王寺大学をはじめとする法人施設の設計を行っていることもあり、境内の設計もさせて頂いています。和労堂は境内にある休憩所で、以前は建物の中心に中庭がありましたが、お堂にしたいということで、屋根を設けて屋内化する増築工事を行いました。建築基準法上の排煙窓を設ける必要性や、既存の柱を利用して梁をかけるため、防水の納まりと軽量化を考え、シート防水による陸屋根を採用しました。その部分を隠すように室内側に斜めに化粧垂木を設け、柔らかく光を取り入れながら、「和」を感じさせるデザインにしています。宝物殿では屋外階段の設置工事を行いました。以前は建物正面から直角にPC版のストリップ階段が突き出していましたが、「用明殿」の新築にあたり、動線のさまたげになることから、階段の付け替えを含めて、周辺整備を行うことになりました。新しい階段はRC造で、宝物殿に平行に高齢者にも配慮した上りやすいものを目指しました。建物外観に合わせて杉板型枠の化粧コンクリート打放し仕上げとし、既存の宝物殿の意匠に対して主張しすぎないよう、ガラス手摺として上品なデザインのものとしました。この他にも境内にある新しい建物は四天王寺 企画整備室様に協力を行うというかたちで、当社が担当しています。表に出ることはありませんが、歴史ある寺社建築にふれる貴重な機会として、誇りをもって取り組んでいる仕事のひとつです。