竹乃湯温泉／2003

設計主旨

敷地は兵庫県三木市の中心部、歴史と緑豊かな地に位置している。その地で古くから地域の憩いの場として親しまれてきた公衆浴場を老朽化に伴い建て替えることになった。建替えに際して1階に駐車場、2階が公衆浴場、3階がワンルームマンション、4階がオーナーのための住宅といった複合用途の建物が求められ、その複雑な用途に対しデザインが複雑になることを避け、全体を公衆浴場として一つのファサードとなるようにした。夜間、ライトアップされたルーバーから漏れる光が、利用者を招くよう、周囲の山間に柔らかく浮かび上がる。内装は明るく清潔感あるモダンデザインとしながらも、内装材に自然素材を用いることでぬくもりが感じられるよう計画した。建替えにより新旧の利用者が交流することで、地域の憩いの場としても新しく生まれ変わることを期待している。