2024年10月15日

YKK AP FAIR 2024

926日(木)にYKKAPのイベントに参加させていただきました。今回の展示は住宅用、ビル用建材、エクステリア建材など総合的な製品展示になっており、展示スペース内にモデルハウスを作った大型展示や施工ロボットの展示もありました。低炭素社会の実現や労働人口減少による省力化など、日本が直面している問題にこたえるため、木材の積極利用、省エネ・創エネ、リサイクルなど持続可能な社会を目指した商品開発が目立ちました。
建具の展示では、新商品であるアルミと樹脂を組み合わせたEXIMA55や隠しがまちサッシのSYSTEMAが紹介されていました。事前に製品について予習をしていたため、見学会で実際に見ることで理解を深めることができました。それぞれの建具には、安全対策や下枠をフラットにすることによるつまずきや転倒防止、意匠性が考慮されており、YKKAPの方から詳しい説明を受け、より理解を深めました。木材と組み合わせたハイブリットサッシなど、それぞれの良さをいかした製品や開発中で非公開のものなど、開発者の熱意が伝わってくる製品が数多くありました。

中でも大迫力だったのは、大型窓の展示です。製作可能な最大寸法である幅7.2m、高さ3.0mの窓が展示されており、その大きさに圧倒されました。ガラスが大きくなるため、引き分け窓だと重く感じ、開けるのに少し力が必要でしたが、食堂などのテラスに繋がる居室に用いることで、開放感のある空間になると感じました。

再生可能エネルギー事業の展示では、カーテンウォールのガラス部分にガラス型ペロブスカイト太陽電池を組み込んだものがありました。窓一枚での発電量の見える化や透過率の比較展示があり、思ったよりも暗くならず、発電量も一枚では少ない気がしましたが、カーテンウォールとして多くの窓ガラスに使用することを考えると、従来の太陽光パネルは場所を取りますが、この商品は場所を取らずにエネルギーを作り出すことができるため、画期的な商品だと感じました。

また、人材不足問題に対して、ロボットによる施工シミュレーションも行われていました。さらに施工時間短縮のため、カーテンウォール工事時に工場である程度のユニットを制作しておき、現場ではクレーンで上から組み立てたユニットを積み重ねる作業のみとする施工方法も紹介されていました。

普段、事務所や工場などビル系の一般建築を主として設計しているため、木造用の住宅建材を使用する機会がありませんでしたが、省エネ法や住宅性能表示制度の改正、ZEHの補助金などにより高断熱化が促進されており、改めてその性能の高さに驚きました。トリプルガラスの採用を初めとする断熱性だけでなく、デザイン性、安全性に優れた製品や改修用製品が数多く実用化されており、オフィス廻りでの採用が出来ないか、検討したいと思いました。日本では少子化や高齢化による人材不足や気候変動、資材不足などさまざまな問題があり、様々な角度からの対策が行われていることを実感しました。機械やAIを上手に活用し、建築業界の発展を願います。

(一橋 奈緒)

3.イベント会場全体写真